子育てへの支援を通じて、地域に貢献~株式会社前田技建工業~
【画像】合志市役所で開催された企業版ふるさと納税の感謝状贈呈式。代表取締役社長の前田富士人さん(左)と市長の荒木義行さん(右)
熊本県熊本市に本社を置き、総合建設業を担う株式会社前田技建工業は、2025年3月、2つの自治体に対して、企業版ふるさと納税制度を活用し、寄付を行いました。同制度を通じて寄付を行った経緯や思い、同企業の事業内容などについて管理部の松本さんにお話を伺いました。
きっかけは地元の銀行からの提案。共感できる点が多いと感じ寄付に至る
企業版ふるさと納税制度を利用して寄付をしたきっかけは、熊本銀行さんからの提案でした。
「2025年1月、熊本銀行の方から企業版ふるさと納税制度の説明を受けました。今期は、売上好調で、利益が確保できる見込みだったので、ちょうど、何か地域に貢献できることはないかと社内で検討していたところであり、また、寄付先の自治体や寄付対象のプロジェクトを自由に選定できることなど、共感できる点が多かったため、即決で進めることとなりました」と松本さんが寄付に至る経緯を説明してくれました。 同社の営業所がある合志市、そして、昨年工事を行い、今後もお世話になる予定の宇城市の2つの自治体に寄付を行いました。
【画像】左:今回、お話を伺った松本(左)と営業の本多さん
少子化対策推進の一助になればと、「子育て」をキーワードにしたプロジェクトを選定
同社は、合志市の「子育支援プロジェクト」と宇城市の「育てるまちづくり」を寄付先として選定しました。いずれも「子育て」がテーマです。「少しでも少子化対策のお役に立てればと考え、子育てに関するプロジェクトを選定しました。当社には、5人の子どもを育てる社員がいます。彼女は、周りの助けもあって、子育てだけに縛られず、趣味も満喫しています。こうした女性が増えるといいなと思います」と松本さんは説明します。こうした「子育てを楽しめる環境作り」が、少子化対策につながると考えています。
「昔は、近所の人が子どもを見守ってくれていて、子どもがいたずらをすれば、近所の人に怒られたものです。しかし、いまは、近所にどんな人が住んでいるのか、わかりません。地域の皆が温かい気持ちで子どもを見守る社会が実現できれば、子育てが楽になり、少子化対策につながるのではないかと考えています」と松本さん。
また、「弊社の社章は、『人と共に 自然と共に』をキーワードに、『人』という字を描いています。偶然にも、合志市、宇城市の市章が非常によく似たデザインとなっており、ご縁を感じております」と松本さんは話します。
【画像】子育てと仕事を両立している女性社員。経理の岩田さん(左)と総務の濱﨑さん(右)
寄付を通じて関係先の新規開拓、さらに社員のモチベーションがアップ
「企業として利益を出せなければ、企業版ふるさと納税制度による寄付で地域に貢献することはできません。企業版ふるさと納税制度を利用して寄付をすることは、社員のモチベーションアップにつながります」と松本さん。
「先日、寄付をした宇城市で、感謝状贈呈の式典を開催していただきました。その際、市職員や弊社と同じように寄付をした企業の方とお話をする機会を得ました。市職員からは、同市にある関連企業を紹介していただいたり、弊社が関わることができるような案件をご案内いただいたりするなど、普段得られない情報をご提供いただきました」と続けます。
今後、こうして得られたネットワークを通じ、新規事業を展開するなど、成果を上げることができればと考えているそうです。
【画像】設置中のシンクウォール
シンクウォールの開発など新しい技術を活用。地球環境保全にも関心を寄せる
次に、同社が特許を取得している「シンクウォール」を中心に事業内容について聞きました。「繰り返し使える間仕切りシンクウォールは、クリーンルームや病院など、無塵環境を整える必要がある場所で、工事をする場合などに仮設置するものです。クリーン環境で数回使用したあとは、通常環境の現場で使用し、最終的には、分解して材料を再利用できます。環境にやさしい画期的な製品で、特許を取得しています」と松本さん。大阪府吹田市の万博記念公園にある国立民族学博物館の工事を担ったときも、館内の展示品を粉塵などから守るためにシンクウォールを設置しました。また、環境経営システム『エコアクション21』の導入、「熊本県SDGs登録制度」へ登録、太陽光発電の設置や緑化活動などを通じ、ムダをなくし効率化できる仕組みづくりや環境保全活動にも取り組んでいるといいます。
【画像】施工例(2025年3月完成)
今後も企業版ふるさと納税を継続し貢献できるよう、企業努力をしていきたい
「地球温暖化の影響で、2025年の夏も、熊本県は体温を超える気温の日が続くことも多くありました。私が幼少のころは、夏休みは、海や川、山など自然のなかで元気に遊び回っていました。しかし、いまは、暑過ぎて、公園でも日光の下で遊ぶことが出来なくなっています。そのため、子どもたちが安心して自由にのびのびと遊んだり学んだりできる環境づくりの一助になれば幸いです。今後も企業版ふるさと納税を継続し貢献できるよう、社員みんなで頑張っていきたい」と締めくくってくれました。
語り手
株式会社前田技建工業 管理部
松本さん
会社・団体名 |
株式会社前田技建工業 |
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