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企業版ふるさと納税2024年度の寄附実績~その状況と今後の動き~

公開日 : 2025年12月26日 関係人口の創出・拡大

取材者 日下 智幸 / 瀬戸株式会社

左から植田さん、加賀さん、山中さん。背後の壁には2枚の木の葉と木洩れ日をモチーフにした内閣府のシンボルマークが

【画像】左から植田さん、加賀さん、山中さん。背後の壁には2枚の木の葉と木洩れ日をモチーフにした内閣府のシンボルマークが

2025年9月19日、企業版ふるさと納税に係る2024年度寄附実績が公表されました。寄附件数、寄附額ともに対前年度比で約1.3倍の伸びを見せており、制度が始まった2016年度から数えて9年目となった2024年度も、さらに普及が進んだ年になりました。その要因や動向、今後の見通しなどについて、内閣府地方創生推進事務局の担当者にお聞きしました。


寄附件数・寄附額が対前年度比約1.3倍。ますます普及が進んだ要因とは


今回お話を伺ったのは、内閣府地方創生推進事務局の植田さん、山中さん、加賀さんの3名です。企業版ふるさと納税を通じて実際に地方公共団体の担当者と接する機会が多く、現場の動向を見てこられた方々です。まずは、制度の普及に向けた内閣府の取り組みについてお聞きしました。
「従来からの動きではありますが、企業と地方公共団体をつなぐマッチング会を開催しています。また、優れた取り組みに対する大臣表彰を毎年続けており、取り組みの例として企業、地方公共団体双方に参考にしていただいています。さらに、地方公共団体職員対象の研修会などを通じて、地方公共団体の意識の向上を継続して図ってきました。今回の寄附件数・寄附額の対前年度約1.3倍という数字に関しては、我々の取り組みというよりも、地方公共団体担当者様の意識の向上や企業版ふるさと納税を活用した施策を前に進めていこうとする動きがより活発になった結果のものと考えています」と植田さん。実際、地方公共団体からの問い合わせの数は年々増えていることを実感しており、地方公共団体主催のマッチング会など都道府県レベルでの取り組みも目立つようになってきているといいます。「個人版ふるさと納税と比較すると企業版ふるさと納税の規模はまだまだ小さいといわざるを得ませんが、これまで個人版ふるさと納税に偏っていた地方公共団体担当者の意識は確実に企業版ふるさと納税へと向き始めています。こうした継続的な取り組みが実を結び、着実に右肩上がりの伸びにつながっているのではないでしょうか」と山中さんは話します。

制度を推し進める3名に話を伺いました

【画像】制度を推し進める3名に話を伺いました

さらに進んだ地方公共団体への普及率。2024年度までに1631の団体が制度を活用


年々増加を見せる寄附件数、寄附額と同様、寄附を受領した地方公共団体の数も順調に増加しています。2024年度に寄附を受領した地方公共団体の数は1590で、対前年度比で約1.1倍の増加となっています。制度開始からの9年間で一度でも寄附を受領したことがある地方公共団体の累計数は1631となり、地方公共団体全体の約95%、企業版ふるさと納税活用の要件を満たした団体に限れば、ほぼ100%に近い数字といえます。「地方公共団体に対しては、制度はひととおり浸透しきったと考えています。これまでは制度の周知にも力を注いでいましたが、その段階は超えたといえるでしょう。一方で、企業に対する普及は思うほど進んでいないため、今後は企業へのアプローチに注力する必要性を感じているところです」と加賀さん。

内閣府地方創生推進事務局 植田皓太参事官補佐

【画像】内閣府地方創生推進事務局 植田皓太参事官補佐

寄附獲得実績に格差あり。多くの寄附を集める地方公共団体の特徴とは


2024年度の寄附受入額が多かった地方公共団体の一覧では、大規模なイベントを開催する地方公共団体が多くの寄附を集めました。大阪・関西万博を開催した大阪府や、2027年に国際園芸博覧会を控えた横浜市などがそれにあたります。それらを含め、2024年度には10以上の地方公共団体が10億円以上の寄附を集めています。「寄附件数や寄附額は、寄附募集事業の規模によるところも大きく、施設整備などの事業には高額の寄附が集まる傾向にあります。件数や金額が多いか少ないかではなく、毎年実績を伸ばしているという観点から見れば共通した特徴があります」と植田さん。大きな特徴のひとつが、全庁を挙げて企業版ふるさと納税に力を入れているということ。企業版ふるさと納税の担当課はもちろん、実際に事業を行う担当課が寄附を前提とした事業を組み立てたり、首長が直接企業に赴いてトップセールスを行ったりと、縦横の連携がしっかりとれているところが実績を伸ばしているといいます。「企業版ふるさと納税を地方創生の大きなツールのひとつとして捉え、重点的に進めることが実勢につながっていると考えています」と植田さんは話します。

内閣府地方創生推進事務局 山中凌さん

【画像】内閣府地方創生推進事務局 山中凌さん

新しい形での活用が普及。人材派遣型の伸びに注目


寄附額や件数が年々順調に増加しているなか、人材派遣型の活用も順調に増えているといいます。「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」とは2020年に創設された制度で、寄附をした企業が地方公共団体の寄附活用事業に人材を派遣し、当該人材の人件費も併せて負担することで、人件費相当額にも税額控除が受けられるというもの。活用実績は、2023年度の98件に対し2024年は116件と1.2倍近い伸び率となっています。「人材派遣型の普及に関しては、地方公共団体の人材不足というニーズが後押ししているのではないかと想像しています。特にDXや脱炭素など新しい分野の事業では地方公共団体職員にノウハウがないこともあり、そういうところに専門知識をもった人に来ていただくことで事業を円滑に進めることができます」と山中さん。実際のところ、特に大企業においてはシニア層の知見の活用法について模索しているところも多く、人材が不足している地方公共団体とマッチングする機会は多いといいます。「人材派遣型は、地方創生のための制度であると同時に、セカンドキャリアの受け皿としても注目されています。地方公共団体によっては、大企業にアプローチすることは敷居が髙いという意識があるようですが、この制度をきっかけにいい関係を築いていただければ」と植田さんはさらなる普及に期待を寄せています。

内閣府地方創生推進事務局 加賀琢巳さん

【画像】内閣府地方創生推進事務局 加賀琢巳さん

官民連携のきっかけに。寄附から始まるストーリーに期待を寄せて


2025年度、企業版ふるさと納税は創設10年という節目を迎えています。最後に、企業版ふるさと納税にとって2024年度はどんな年だったかをお聞きしました。
「2024年度は地方公共団体の意識が大きく高まった年であり、それを反映して実際に寄附の件数、金額ともに大幅な伸びを見せた年でした。一方で、一部の地方公共団体による不適切な活用例が出てしまっており、改めて制度をしっかりと見直す必要性を感じた年になりました」と植田さんは振り返ります。今後は、制度の健全な発展を図ると同時に、順調に推移している伸び率を維持・向上させるための取り組みを加速していくべく進めているといいます。また、前述のように、寄附企業数の伸びを増やすための取り組みにも注力しているところです。「これまでは制度の普及に力を注いでいましたが、今後はその先を見据えた取り組みが必要だと感じています。寄附がゴールではなく、官民連携のきっかけのひとつであり、ここがスタート地点であるという意識をもっていただければ。企業と地方公共団体、双方のメリットを見据えたうえで寄附を通じた良好な関係をつくっていく。そんなストーリーをもった寄附が増えるよう、取り組みを進めてまいります」と、植田さんは力強く結んでくれました。


地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の令和6年度寄附実績について(概要)


令和6年度寄附実績一覧

語り手

内閣府地方創生推進事務局

植田皓太さん、山中凌さん、加賀琢巳さん

 
寄附予定金額: -
自己負担額: -
自己負担割合: -
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