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企ふるトレンド 地域への恩返しを。寄付を経営目標に組み込む美容企業の挑戦~株式会社ヴォーチェ~

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地域への恩返しを。寄付を経営目標に組み込む美容企業の挑戦~株式会社ヴォーチェ~

公開日 : 2025年7月18日 結婚、 子育て

取材者 宮森祐巳子 / 言の葉・ライター

前橋市で開催された感謝状贈呈式。左が株式会社ヴォーチェ代表取締役の志賀佑一さん。

【画像】前橋市で開催された感謝状贈呈式。左が株式会社ヴォーチェ代表取締役の志賀佑一さん。

群馬県前橋市を中心に美容室を展開する株式会社ヴォーチェは、2022年から企業版ふるさと納税を活用し、地域への恩返しを形にしています。今回は、代表取締役を務める志賀佑一さんにお話を伺いました。
制度に詳しくなかった志賀さんが一歩を踏み出した原動力は「地域の方々のおかげでここまで来られたからこそ、今度は自分たちが貢献したい」というまっすぐな想い。「企業として社会に何ができるのか」という問いに誠実に向き合う姿勢は、多くの企業に示唆を与えてくれます。


きっかけは「地域への恩返し」から始まった


同社は、前橋市を中心に10年以上美容室を展開しており、地域の人々との信頼関係を大切にしています。「おかげさまで会社の業績が安定してきました。だからこそ、何か地域にお返しができれば」と語る志賀さん。そんな折に銀行から紹介された制度が、企業版ふるさと納税でした。節税という視点ではなく、地域への貢献として、この制度に魅力を感じたそうです。初年度は160万円、2・3年目は300万円を前橋市に寄付しています。
「節税メリットを最大化するにはもう少し低い金額が適していると聞きましたが、目的が違うのです。地域への感謝を表す手段だと考えているので、積極的に増額して寄付を実施しました。寄付額を毎年増やしていくという目標を立てることも、経営していくうえで大事なことだと思っています」と志賀さんは熱く語ります。

サロン運営に加え、施術時間と髪へのダメージを徹底的に削減する製品を現場目線で開発。

【画像】サロン運営に加え、施術時間と髪へのダメージを徹底的に削減する製品を現場目線で開発。

1,000万円の寄付を宣言。目標を掲げて成長へ


志賀さんは前橋市長との対談の場で「5年以内に必ず1,000万円を寄付できる会社にします」と明言。「目標と期日を口に出して自分を追い込むタイプなので、やると決めたらやり抜きます。社員も、私が言ったことは本当にやると思ってくれています」と語るその姿勢には、一切の迷いがありません。これまでも有言実行を積み重ねてきたからこそ、社内には自然と信頼が根付いているのでしょう。今回の1,000万円寄付の目標も、誰も驚くことなく受け入れられたそうです。
「ただし、無理なやり方はしません。お客様やスタッフを犠牲にしてまで行う寄付には意味がありません。美容室の満足度を圧倒的に上げながら、さらに地域に貢献していきたいと考えています」と言い切りました。地域貢献は、まず本業の信頼があってこそ成り立つもの。“本業重視+地域貢献”のバランス感覚が、同社の経営の持続力を支えているようです。

ヘアケアのプロフェッショナルとして、短時間で綺麗に仕上げる時短施術を実現。

【画像】ヘアケアのプロフェッショナルとして、短時間で綺麗に仕上げる時短施術を実現。

「使い道は現場をよく知るプロの判断に任せる」という選択


企業版ふるさと納税では企業側が寄付金の使途を指定することもできますが、志賀さんは「いまの前橋市にとって何が一番必要なのか、正直なところ、自分にはわかりません」と言い、前橋市に一任。「教育や子育てに関する取り組みに関心があると、ゆるやかな希望は伝えていますが、基本的にはお任せして必要なところに使っていただくのが効果的だと考えています」と語る志賀さん。その根底には、現場を一番よく知っているのは行政側だという信頼があります。これまでの寄付金は、市立中学校学校給食費無償化事業や動物愛護・管理推進事業などに活用されており、毎年、市から丁寧な報告書が届くそうです。
「各事業の細かい部分までは理解していなくても、“地域の役に立ちたい”という気持ちがあれば、企業版ふるさと納税による地域貢献は始められます」と語る姿は、多忙な中小企業経営者にも希望を与えます。

「ありがとう」がモチベーションに変わる


企業版ふるさと納税を通じて得られる最も大きな収穫は、ありがとうの言葉。広報誌や市のSNS、新聞などで紹介されたことにより、お客様からも「いい美容室に通えてうれしい」「誇らしい」といった声が届くようになったのです。また、従業員の親御さんから「地元を大事にしている会社なんだね」「安心できる職場で良かった」と感謝されることも。
「そうした言葉が会社全体のモチベーション向上につながっています。小さな会社でも人に喜んでもらえて、世間から必要とされる存在になれる。企業版ふるさと納税は、そんな夢を与えてくれる制度です。これからも、ありがとうという言葉を集められる企業になりたいですね。そして、自分たちの頑張りが波紋となって広がり、地域を良くしていくことができたらうれしいです」と志賀さん。

サロンは半個室で、プライベート感を大切にしながらもリラックスできる空間に。

【画像】サロンは半個室で、プライベート感を大切にしながらもリラックスできる空間に。

巡り巡って、自分たちに返ってくることを実感


「地域に貢献する方法として、イベントへの参加などもあると思いますが、自ら現場の最前線に立ち続ける中小企業の経営者にとって、時間的余裕は少ないのが現実です。その点、企業版ふるさと納税という制度は、寄付という形で確実に地域に貢献できるので、自分にとって最も現実的で、無理なく続けられる方法だと感じています」と志賀さん。
一方で「制度を知る時間がない」とも指摘。「忙しくて調べる時間はないけれど、地域に貢献したいという想いをもった経営者は多いと思います。自治体には、もっとわかりやすく、積極的に情報を届けてほしいですね」と呼びかけます。
そして最後に、制度の活用を検討する企業に向けて、こう語ってくれました。「地域のためにやったことは、必ず巡り巡って返ってきます。どんな業種であっても、人からの気持ち、感謝が集まる企業にしていくことは、信頼と成長につながるはずです。だからこそ、“余裕ができたら”ではなく、自社なりの目標を定めて、チャレンジしてみてください」
目の前のお客様を大切にしながら、地域や未来への思いやりを忘れない。そんな誠実さが、同社の成長と信頼を生み出しているようです。

語り手

株式会社ヴォーチェ 代表取締役

志賀佑一さん

会社・団体名

株式会社ヴォーチェ

 
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自己負担割合: -
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